「自己肯定感が低い」と言っても、その在り方はさまざまです。
- 自分に価値がないと思ってしまう
- 必要以上に消極的になってしまう
- 少しのミスでも自分を責めてしまう
あるいは、それら全てだということもあるでしょう。
「高い」「低い」の明確な基準はなく、その度合いは人や環境によって変わるものです。
それもあり、幼少期には当然のようにあった自己肯定感を大人になって改めて育てようと思っても、なかなか難しいですよね。

私自身も昔は自己肯定感が低く、とても頭を悩ませていました。
そんな私の経験を踏まえて、この記事では自己肯定感を高める方法と、そのために前段階としてやっておくべき2つのステップについて解説します。
この記事を書いた人


この記事を書いている私は、20代で転職5回を経験してきて見つけた「自分を知る方法」と「人生の選択肢を惹き出すコーチング」で年間200名の受講者数を誇る会社を運営しています。
自己肯定感とは
「自己肯定感」とは、自分自身を肯定的に評価できる感情のことを指します。



私なりの言葉で言い換えるなら、ありのままの自分を受け入れ、認め、その上で自分という存在・価値を肯定することです。
日本人は諸外国に比べて自己肯定感が低い傾向にあります。
2019年6月、各国の満13~29歳を対象とした意識調査の結果が内閣府より発表されました。
データを見ると、日本の若者は「自分自身に満足している」「自分には長所がある」といった意識が低く、諸外国と比べると差が大きく開いていることがわかります。
また、2022年4月には成人年齢の引き下げが行われました。今後は18歳で成人、つまり「大人」だと認識されます。
そんな中、2022年3月に日本財団より発表された18歳意識調査の結果では以下のようになっています。
やはり日本においては自己肯定感の低さが目立っており、現状、充分に自分を肯定することができないまま大人の仲間入りを果たす若者が多くなってしまうということです。
社会人として経験を積んだ人でも改めて自己を肯定することは決して簡単ではないと感じますが、大人に成りたての頃からこれほど低い状態だと知ると、対策や改善をしようにも少し億劫になってしまいますね。
けれどもちろん、きちんと段階を踏んでいけば、自己肯定感を高く保つことは誰にだって可能なのです。
ところで、私は基本的に、自己肯定感が「下がった」「上がった」といった表現はしません。
自己肯定感は「取り戻す」ものだと考えているからです。
そもそも、どんな人でも幼い頃から自己肯定感を備えています。自己を肯定する力は本来、生まれたときから持っているものなのです。
幼い頃にわざわざ「自己肯定感を上げたい」「私って自己肯定感が低いな……」なんて思ったことはないはずで、自己肯定感という言葉さえ知らなかったのではないでしょうか。
けれど成長するにつれて、さまざまなことを経験しますよね。
- いろんなことに挑戦して挫折をした
- 能力や価値観を、友だちや同僚と比べることがあった
- 親にかまってもらえなかった
- 親が過保護で自分で決めさせてもらえなかった
日常生活を送るなかでこうしたことが原因となり、自己肯定感が保たれなくなっていくわけですね。
そのように、少しずつ失っていった自己肯定感を「取り戻す」力をつけていくことが大切なのです。
自己肯定感を高める前の2ステップ



では、自己肯定感を取り戻す “前” にやるべきことをご紹介しますね。
ステップ1:自己受容
「自己受容」とは、ありのままの自分を受け入れることです。
自己肯定感への道はここからスタートします。
- ネガティブな気持ち
- 不安に思う気持ち
- 短所だと思うところ
- 自分で嫌いだと思うところ
- 頑張ってもできないこと
そういったネガティブな感情や不得意な点は、生きていればどうしても出てきてしまうものです。
避けられないものである以上、それは決して悪いことではありません。無理やり変えることでもありません。
まずはそれらを認識して、自分の「いま」をそのまま受け入れてあげてください。
プラスでもマイナスでもなくゼロに戻す、荒れた波を平らにする、地に足を着けてあげる、そんなイメージです。
自己肯定感を高める・取り戻すためには、自分の視点をプラス側に変えていくことも必要になります。
けれど、「いま」そこへステップアップしようと思っても、足元がグラついていては満足に踏み込むこともできませんよね。だからこそ、まずは自己受容で「土台」をつくります。
ネガティブな部分をありのまま受け入れて現状を知り、過去の経験や価値観から自分を知る。
そうして初めて、自分をどう成長させていけば良いのかと「未来」を考え、そのための行動を始めていくことができます。
ステップ2:自己承認
「自己承認」とは、自分で自分を認めることです。
自己受容と自己承認の違いとしては以下です。
自己受容:「自分はこうだよね」と自分の中で受け入れること
自己承認:「自分はこれでいい」と自分の中で認め、他人にもそれを手渡せる(伝えられる)状態になること
承認欲求はどんな人にでもある欲求ですが、それを他人に求めるのではなく自分で自分を認めてあげる力をつけることによって、自ずと自己肯定感を高める・取り戻すことにも繋がっていきます。
私は27歳の頃、仕事も恋愛もうまくいかず「手段」ばかりに奔走していました。
転職を繰り返して、資格があれば何かが変わるかもと期待して資格を取っていましたが、全然うまくいかず……。
結局それは、自分を知らず、自己受容や自己承認によって土台を整えていなかったからです。
自分が望む生き方や在り方が分からないまま、手あたり次第に「手段」を追いかけては、自分を責めて何度も悩んでいた位置へ戻ってきていました。
そうならないために、まず自分を知って認めてあげることが大切です。
次の「自己肯定感を高める方法」は、この自己承認として行うものでもあります。
これを行うことによって、自己承認力が身についていき、結果的に自己肯定感を育てることができるということですね。
自己肯定感を高める!取り戻す!3つの方法



具体的に自己肯定感を取り戻すための方法を解説していきます。
① 小さく行動して小さく変わる
大きく動くのではなく、どんなこともスモールステップで始めてみましょう。
小さく行動して変わっていくことを、私は「スモールチェンジ」「スモチェン」と呼んでいます。
大きく変わろうとするとそのぶん不安がつきまといますし、ハードルが高くなりますよね。
そうするとできなかったときに、「やっぱりできない」「私はダメなんだ」と自分を責めてしまい、自己承認力や自己肯定感がむしろマイナスになってしまうことに。
ついつい一度にたくさんのことを始めようとしてしまいますが、まずはそれをやめてみましょう。
小さく少しずつ行動して、小さく変わっていくことで結果的に大きな変化を生みだせます。
小さな変化を積み重ねてみてくださいね。
② 「できたこと」を書きだす
「できなかったこと」への意識を減らして、「できたこと」への意識を増やしていきましょう。
できなかったことを振り返ると、気付けることはたくさんあるのかもしれません。
けれど本当に大切なのは、自分の「できた!」を毎日みつけだすことです。
1日の中でできたことを、たった1つでもいいので書きだしてみましょう。
そうすることで、できたことへ目を向ける癖がついていきます。
仮にできなかったことがあったとしても、「できなかった……」で終わってしまうのではなく、「次はこうしよう」「どうすればできるかな」とポジティブなフィードバックを自分にしてあげてくださいね。
③ 悩みを相談できるメンターを持つ
ぜひ、自分の悩みを相談できる「メンター」を見つけてみてください。
私自身にも、今でもメンターという存在がいます。
一番悩んでいた27歳の頃は自分だけで何もかもをやろうとしていましたが、自分を知って承認するにも、たった一人では限界があります。
メンターがいることで、できることや強みに気付くことができました。
自分の強みがわかっていたとしても、それは主観的なもので「確信に変わらない」ということはありませんか。
そんなときに必要なのが、メンターによる客観的な視点やフィードバックです。
悩んだときに必要なことを教えてくれたり、導いてくれる存在は心強いです。
ただ誰でもいいわけではなく、自分が解決したいと思う分野のプロに相談できることが大切なので、そういった環境を求めて動いてみてくださいね。
まとめ
自己肯定感を高める・取り戻す方法と、その前段階としてのステップをご紹介しました。
- ステップ1:「自分はこうだよね」とありのままの自分を受け入れる
- ステップ2:「自分はこれでいい」と自分で自分を認める
- 小さく行動して小さく変わる(スモールチェンジ)
- 「できたこと」を書きだす
- 悩みを相談できるメンターを持つ
この流れによって、自分らしさを大切にでき、心から前向きになることができます。
かつて自分の中にあった自己肯定感を、ぜひ取り戻してみてくださいね。